2009年6月29日
東レ株式会社
東レ・ファインケミカル株式会社

中国におけるDMSO生産・販売合弁会社の設立について

 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:榊原定征、以下「東レ」)、および東レ・ファインケミカル株式会社(本社:千葉県浦安市、社長:渡邉哲也、東レ100%出資、以下「TFC」)は、このたび、中国石油化工集団公司(SINOPEC)傘下の中国石化集団資産経営管理有限公司(本社:中国北京市、法定代表人:李春光、以下「資産管理公司」)とジメチルスルホキシド(DMSO)の生産・販売合弁会社を中国に設立することで合意しました。

 両社は今回の合意にもとづき、本年7月に合弁新会社「滄州東麗精細化工有限公司」(Cangzhou Toray Fine Chemicals Co., Ltd.、出資比率:TFC60%、資産管理公司40%)を、中国河北省滄州市に設立します。新会社設立にあたり、資産管理公司が有するDMSOの中間体原料ジメチルスルフィド(DMS)生産設備を取得するとともにDMSO生産設備の新設工事を実施し、年間10,000トンのDMSOを生産・販売します。総投資額は約21百万米ドル(20億円)になります。

 DMSOは、有機化合物や無機化合物を溶かす非プロトン系の極性溶剤で、高い溶解力や浸透性を活かして、電子部品やプラントの洗浄剤をはじめ、自動車部品成型用の剥離剤、医薬・農薬などの反応溶媒など、幅広く使用されています。

 DMSOの世界需要は約60,000トン(2008年)と推定されています。中国市場ではDMSOを使用する日系や台湾系の電子部品メーカーの進出により、電子材料用途の拡大が見込まれる一方、医薬・農薬分野での需要拡大が見込まれています。

 TFCは現在、日本唯一で世界ナンバーワンのDMSOメーカーとして千葉事業場 (千葉県市原市)および東海事業場(愛知県東海市)で年17,000トンを生産しています。TFCは今回の合弁新会社の設立を機に、DMSOのグローバルオペレーション体制を構築し、世界ナンバーワンとしての地位を揺ぎないものにします。東レはケミカル事業において、海外拠点の強化を軸にグローバルオペレーションを一層深化させ、成長市場を確実に取り込むことでさらなる拡大を推進して参ります。

 資産管理公司は中国石油化工集団公司の100%出資子会社です。中国石油化工集団公司は、アジアで最大の、石油精製・石油化学製品製造を一体で手がける企業で、2008年の原油加工量は1.7億トン、合成樹脂・合成ゴム・合成繊維等の石油化学製品の生産量は2,000万トン超となりました。中国石油化工集団公司は、製品構成の改善を進め、高付加価値製品分野の開拓・発展に注力しています。

調印式

前列右から TFC 竹内会長、資産管理公司 滄州分公司 李書記
後列右より 東レ 小泉副社長、胡春華河北省長、尹亜力秘書長
(役職・所属は調印時のもの)

会社概要

滄州東麗精細化工有限公司(Cangzhou Toray Fine Chemicals Co., Ltd.)

1. 設立 :2009年7月予定
2. 資本金 :1億人民元(1,433百万円)
3. 所在地 :中国河北省滄州市
4. 出資比率 :TFC60%、資産管理公司40%
5. 社員数 :約70名(2009年7月)
6. 生産能力 :DMSO 10,000トン/年

以上

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